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歯周病と全身疾患

歯周病と全身疾患には深い繋がりがあるのをご存知でしょうか?
歯周病は「歯がグラグラする」「口臭がきつい」「歯が抜ける」というイメージをお持ちの方が多いかと思います。
その通りです。
ただ、歯周病が全身の健康に悪影響を及ぼすということまでは知らない方がまだまだ多いのではないでしょうか。

世界的パンデミックを引き起こした新型コロナウィルスも今では研究が進み、「歯周病の人はコロナにかかりやすい」ということも分かってきました。国会で行われた参院予算委員会にて、去年1月に発表された論文の「歯周病と新型コロナ感染の重症度との関連性」が紹介されたことにより、コロナの感染予防に歯科検診が推奨されるようにもなりましたね。

近年、多くの研究により歯周病そのものが全身疾患と深く関連していることが分かってきました。日本では中高年の約90%近くが歯周病に罹患していて、お口の中で唯一の生活習慣病とも言われており、決して他人事ではありません。
慢性的な歯周病は、歯周病菌やその菌が産み出す毒素、または炎症反応性物質などが、歯茎の中の毛細血管を通じて全身のあらゆる組織に送られ、それらの組織で悪影響を及ぼします。
一番知られているのは、高齢者の方がたんが気管支や肺に入ってしまうと、たんや唾液に含まれる細菌が影響して気管支炎や誤嚥性肺炎になってしまいます。

〜歯周病と心臓病〜
歯周病菌が心臓に送り込まれると心臓の弁や内膜で感染し、心内膜炎を引き起こします。また、歯周病菌が心臓の血管について血栓になると、血管が狭くなったり血管内皮に傷をつけて動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や狭心症の発症リスクが高まります。

〜歯周病と糖尿病〜
最近では特に歯周病と糖尿病は密接な関係があるということが分かってきていて、両方が影響を及ぼし合っている、とも言われております。歯周病菌が全身に送られることで、糖の代謝を弱め、膵臓で作られるインスリンの働き低下させます。さらには糖尿病の合併症の発症リスクも高まります。

〜歯周病と骨粗しょう症〜
歯周病で歯を失うことにより、噛む力が弱まりバランスよく食事を取れない状態が長引くと、全身の骨密度が低下してしまいます。

〜歯周病と早産〜
歯周病菌が、子宮筋に影響して子宮の収縮を早めてしまうことで、歯周病にかかっている妊婦さんは早産の可能性が高まるとの報告があります。

最近では「歯周病と肥満」や「メタボ」との関連も注目されるなど、歯周病はお口の中だけの問題ではなくなってきています。
これらのことが分かってきている現代では、しっかりとした口腔ケアを心がけて、歯周病にならないような口腔環境を作ることが健康への第一歩となります。

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