昔よりも身近な歯科治療となったインプラント。気になっている患者様も多くなってきていますが、「治療名は聞いたことがあっても詳しいことや注意点がわからない」という声も見られます。
一般的な歯科治療よりも負担も大きな治療となるため不安も大きいですよね。そこでこの記事では、インプラント治療でよく見られる質問「むし歯や歯周病がある場合はどうなる?」という疑問にお答えしていきます。
インプラントに関して疑問点や不安なことがあれば、福知山市の歯医者なみかわ歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。
■全部の歯にも部分的な歯にも適用できるインプラント
人はさまざまな原因によって歯を失ってしまいます。そのとき歯を失った箇所の顎の骨にインプラント(人工の歯根)を埋め込み、そこに上部構造である人工歯をつける治療がインプラントです。1本だけのような部分的な歯にも、全体の歯にも適用することができます。
自分の歯と同じように噛むことができる機能性、周りの健康な歯を傷つけずに済む、審美的な面で優れている、セルフケアに手間がかからない、丈夫で長持ちするなど、さまざまなメリットがあります。
デメリットとしては外科手術が必要になるため身体的な負担が大きくなること、保険が適用されないため、治療費が高額になることです。また、インプラントは大きな治療となるため、誰にでも適用できるわけではなく、制限を受ける人もいます。
■むし歯があったらどうなる?
口腔内にいるむし歯原因菌が出す酸によって歯が溶かされてもろくなり、ついには穴が開いてしまう病気がむし歯です。むし歯になってしまう原因は、環境的な要因である「細菌と、」遺伝的な要因である「歯質」、習慣的な要因である「糖類」の3つが条件とされており、これらの条件がそろった状態で長時間放置されると、むし歯に進行してしまいます。
インプラント治療を行うときにむし歯が見られる場合、インプラントしたい歯がむし歯なのかインプラントを行う歯ではない周囲の歯がむし歯なのかなど、場所や症状によって対応が異なります。
インプラント治療を行いたい歯のみがむし歯の場合、痛みや腫れなどの急性炎症がなければむし歯の抜歯と同時に、インプラントの手術が行われます。しかし、炎症がない場合でも症状やお口の中の状態によっては抜歯を先に行って傷口が治った後に手術が行われるケースもあります。急性炎症が見られる場合は、抜歯をする前に炎症を抑える治療が優先されます。
周囲の歯にむし歯がみられる場合、軽度の症状であれば抜歯が必要ないため、インプラント治療を行う前にむし歯の治療が行われます。軽度のむし歯であればインプラント治療と同時進行で進められることもありますが、治療する歯が噛み合わせに影響する場合、むし歯の治療が最優先され、噛み合わせの調整も行われます。初期段階のむし歯の場合は、歯を削らず定期観察と判断されることもあります。
■歯周病になっていたらどうする?
むし歯と並びお口の中の病気として広く知られており、細菌の感染によって引き起こされる感染性炎症性疾患が歯周病です。歯と歯茎の境目に磨き残しがあり、プラークがそこにあり続けることで炎症を起こし、発症します。歯周病になってしまうと歯の周りの歯肉や歯を支える骨が溶け、歯肉が赤くなって腫れるなどの症状が出てきます。
インプラント治療をするときに、歯周病になっている歯が見られる場合は、基本的には歯周病の治療が必要になります。歯を失うほどの重度の歯周病だった際は特に、歯周病に菌が口腔内に充満している可能性があります。そうなると他の健康的な歯も歯周病になってしまっていたり、今後なってしまうリスクがあるため、歯周病菌を減らすための事前治療が必要不可欠です。
インプラント治療には一定の骨の厚みが必要です。歯周病が重度まで進行してしまっている場合、骨の多くが溶かされている状態なので、人工の歯根を埋める余裕がなくなり、インプラントを適用できなくなることもあります。こういったケースには、サイナスリフトや骨移植や、GBR法、骨造成などの手術が必要になります。
■インプラント治療は体の健康状態もとても大切
インプラント治療は、手術を要する大きな治療となるためむし歯や歯周病といったお口の中の状態だけではなく、全身の健康も重要になります。全身疾患をお持ちの人や成長期にある若年層の人、糖尿病をお持ちの人はインプラント治療の制限を受けることがあります。まずは歯科医院に相談してから慎重に判断していきましょう。