象牙質の文字だけを見ると、歯と関係なさそうに見えますが、実際には歯の主体とも言える象牙質は大事な役割を果たしています。
象牙質の特性
象牙質は、その名の通り象牙と同じくらい硬い組織です。体の部位では骨と同じ硬さだと言われています。
象牙質には象牙細管という細い管が走っています。この管の中には神経の末端が入っている部分や毛細血管があるので、
むし歯が象牙質までの範囲にくると、この管を通して歯髄(歯の神経)に伝わるので痛みを感じるのです。
また、冷たい物や熱い物がしみるのも、この管を通しているからです。
さらに、むし歯ではなく歯周病で歯ぐきが下がると、根っこの部分の象牙質が見えて知覚過敏になることがあります。
象牙質が露出することで、歯が外部の刺激に敏感になり、冷たい飲み物や甘い食べ物を摂るときに不快感を感じることがあります。
治療方法
象牙質に関連する問題の治療方法はいくつかあります。以下に主な方法を紹介します。
- 再石灰化を促す
歯磨き剤や唾液からの再石灰化成分によって象牙質をコーティングする力が働きます。
再石灰化は、象牙質を強化し、むし歯の進行を防ぐ効果があります。フッ素入りの歯磨き剤を使うことで、象牙質を守ることができます。
- 知覚過敏の薬を塗布する
多少しみるくらいの場合には、知覚過敏用の薬液を塗って様子を見ます。
知覚過敏の薬液は、象牙細管を封鎖し、外部の刺激から神経を守る働きがあります。
- コンポジットレジン治療をする
知覚過敏の症状が強い場合や歯と歯ぐきの境目のエナメル質がえぐれている場合には、コンポジットレジン治療を行います。
コンポジットレジンはプラスチックのことで、薬液よりしみるのを抑える効果があります。レジンを象牙質に充填することで、
歯を保護し、知覚過敏の症状を軽減します。
知覚過敏の予防とケア
知覚過敏の症状がある場合には、象牙質が露出している可能性があります。
一度、歯科医院で診てもらうことをお勧めします。定期的に歯科医院でのチェックを受けることで、早期に問題を発見し、
適切な対策を講じることができます。
また、日常生活でのケアも重要です。柔らかい歯ブラシを使用し、過度な力を入れずに優しく磨くことで、
象牙質の摩耗を防ぎます。さらに、酸性の飲食物を控え、歯のエナメル質を保護することも大切です。
まとめ
象牙質は歯の重要な部分であり、その健康を保つためには適切なケアが必要です。
むし歯や知覚過敏の予防には、日常的な歯磨きや歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。
問題が発生した場合には、早めに歯科医院を訪れ、適切な治療を受けることが重要です。
象牙質の健康を維持することで、歯全体の健康を守り、快適な生活を送ることができます。
定期的なケアを心がけて、健康な歯を保ちましょう。
医療法人なみかわ歯科クリニック
院長 並河 雅也